インプラントとは?
- 心筋梗塞、狭心症などの心疾患をお持ちの方
- 重度の高血圧。動脈硬化などの血管の疾患をお持ちの方
- 血小板減少症
- 重度の貧血
- 重度の糖尿病
- 管理の困難な免疫系疾患をお持ちの方
- 重度の骨粗しょう症
- その他外科処置等に影響のある疾患をお持ちの方
- 喫煙により白血球の活動を抑制され、免疫力が下がることで感染症のリスクが高まる。
- たばこの中に含まれるニコチンの作用により毛細血管が収縮されて血行が悪くなり、インプラントと骨が癒合 しにくくなる。
- 喫煙により唾液が減少することでお口の中の細菌が増え、インプラント歯周炎を引き起こしやすくなる
【インプラントとは?】限りなく天然の歯に近い治療方法
人は永久歯を失うと、二度と自分の歯を取り戻すことができません。残念なことですが。
そのため、永久歯が抜けてしまった場合、今までは両隣りの健康な歯を削らなくてはならないブリッジや、バネをかけて入れ歯にするしか治療法の選択肢がありませんでした。しかし、残っている歯に負担がかかったり、うまく噛めなかったり、違和感が強いなど不具合も多かったのも事実です。
その不満点を改善した治療法がインプラントです。インプラントは、顎の骨にチタンの人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯をとりつける治療方法。チタンはアレルギー反応もなく、生体親和性が高い材料ですので安心です(人工心臓や人工関節にも使われています)。
インプラント治療をすることで、自分の歯で噛むような感覚を取り戻すことができます。ですが、どんなインプラントも、天然の歯にはかないません。
当院では、ご自身の歯がある方には、安易にインプラントをお勧めしないこともあります。最良の治療で、患者さんの歯を保存する方法をご提案させていただきます。歯を残すことが不可能な場合に行うのがインプラント治療なのです。
インプラントには1回法と2回法の2種類があります。
1回法
まずはじめに局所麻酔をします。
その後、歯肉を切開し歯槽骨 (顎の骨)を露出させます。
専用のドリルを使い、フィクスチャー(人工歯根)と同じ長さ・太さの穴をあけます。
フィクスチャーと呼ばれる歯根部分を埋め込みます。
ヒーリングアバットメントと呼ばれる仮のアバットメントを設置します。 頭出しをの状態にしておきます。
その後、インプラントと骨が結合されるのを待ちます。
骨との結合が確認します。
それが確認できたら、ヒーリングアバットメントをはずし上部構造アバットメントを装着します。
アバットメントの上に人工の歯をかぶせて治終了です。
<メリット>
外科手術が1回で済むため負担が少ない。
<デメリット>
骨の状態がよくなく、感染のリスクが高い場合は向きません。
2回法
まずはじめに局所麻酔をします。
その後、歯肉を切開し歯槽骨 (顎の骨)を露出させます。
専用のドリルを使い、フィクスチャー(人工歯根)と同じ長さ・太さの穴をあけます。
フィクスチャーと呼ばれる歯根部分を埋め込みます。
歯肉を上から閉じ合わせます。
フィクスチャーを完全に埋没させます。
その後、インプラントが骨と結合されるのを待ちます。
治癒期間中は部分入れ歯等を使用することができるので、日常生活に支障はありません。
フィクスチャーと骨がしっかりと結合されたら、小手術で歯肉を小さく切開します。
フィクスチャーの頭部を出し、人工歯と連結させるためのアバットメントを取り付けます。
アバットメントの上に人工の歯をかぶせて治終了です。
<メリット>
歯肉の中にインプラントが完全に埋め込まれているため力がかからず、感染のリスクが少ない。骨増生と同時にインプラントができる。
<デメリット>
頭出しの2次手術が必要。
1回法と2回法どちらがいいか?
当院で主に使用しているJMMインプラント1回法にも2回法にも対応しているため、それぞれの患者さんの状態にあわせて最良の方法を選ばせて頂いております。
インプラントのデメリット(治療が難しいケース)
インプラントは優れた治療法ですが、全ての方に行えるわけではありません。中には残念ながら、適応外となりインプラント治療が出来ない場合があります。
全身的な健康状態の問題
循環器疾患や、糖尿病の方など、全身の健康状態によってはインプラント治療ができない場合があります。
ただし、症状が軽度であれば問題ない場合もありますので、下記のような疾患をお持ちの方は、各疾患の主治医の先生とも相談の上、手術が可能かどうかを判断する必要があります。
インプラントを埋め込む場所の問題
インプラントを埋め込もうとしている部分の骨の幅や高さがない場合、インプラント治療が難しい場合があります。
上顎において
骨が吸収してインプラントを埋入するための骨の高さが足りない場合が多くみられます。
これは上顎洞という空洞が骨の高さを制限しているためです。
下顎において
骨が吸収してインプラントを埋入するための骨の幅も高さが足りない場合が多くみられます。
これは下歯槽神経という下顎の知覚をつかさどる神経が走行しているために骨の高さを制限しているためです。
ただし、現在は、増骨手術などの技術や材料の進歩により骨の量が充分でなくても、より理想的な位置にインプラントを埋入できるようになってきました。
骨の量が少ない場合でもインプラント治療が可能な場合もありますので、まずは歯科医師にご相談ください。
時期の問題
若年者の場合(18歳以下)
インプラント治療は、インプラントを顎の骨に埋め入れる治療法です。
埋め込まれたインプラントはその場所から動くことはありませんので、まだ顎の骨の成長が続いている若年者のにインプラント治療を行ってしまうと、顎の成長とともにインプラントを埋めた位置も動いてしまい、歯並びや噛み合わせに不具合が出てしまう可能性があるのです。
顎の成長が止まる時期は個人差があるため、治療の時期をしっかりと見極めることが必要です。
年齢による制限のためにインプラントが出来ない期間は、歯のないまま放置せず、隣の歯が動いたりしてこないよう、入れ歯などの補綴手段で一時的に補うことが大切です。
妊娠中の場合
妊娠中は、胎児への影響や母体の安全を考え、インプラント治療はなるべく避けた方が良いと考えています。
インプラント治療の際にはCTやレントゲン撮影はどうしても必要になりますし、一般的な虫歯治療などに比べて治療時間も長くなりますので、母体への負担も大きくなります。
また、インプラントを埋め込む際には麻酔が必要となりますし、術後の痛みや感染を防ぐための抗生物質・鎮痛剤など複数の薬を飲まなくてはいけません。
妊娠安定期に入った場合は比較的負担も少なくなりますが、万が一のことを考えてなるべく避けた方が良いでしょう。
もし、インプラント治療を開始してから妊娠が発覚したり、妊娠中に歯が抜けてしまった場合には、一時的に入れ歯や仮歯などで補い、出産後、体の状態が安定してから手術を行うことをおススメいたします。
習慣の問題
治療後の定期的なメインテナンスが出来ない
インプラント治療を完了したからと言ってその後のメンテナンスを怠ると、「インプラント歯周炎」という、歯周病のような状態が生じることがあります。
主な原因としては、ご家庭での毎日のケアができていなかったり、歯科医院による定期的なメインテナンスを受けていないことでインプラント周辺に歯垢が溜まり、歯周病原細菌が増殖してしまうことが挙げられます。
インプラント歯周炎になってしまうと、インプラントを摘出するために手術が必要になってしまったりと、体へのダメージも非常に大きくなってしまいますので、手術後も3カ月に1回は歯科医院にてメンテナンスを受ける必要があります。
何らかの理由で定期的な通院が困難な場合は、インプラント治療については再検討をされた方が良いでしょう。
タバコを吸う
喫煙者の場合、インプラント治療に失敗してしまうリスクが高まります。
喫煙による失敗リスクの理由としては下記のことが挙げられます。
喫煙者は非喫煙者に比べてインプラント手術の失敗率が10パーセント以上高まるというデータもあります。
また、喫煙は体の健康を考えても決して良い習慣ではございませんので、なるべく本数を減らし、習慣の改善に努めることも大切です。